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(以下引用)
サイゼリヤ:為替デリバティブで評価損140億円 最終赤字転落も

ファミリーレストラン大手の「サイゼリヤ」は21日、08年9~11月期に為替のデリバティブ(金融派生商品)の評価損が約140億円発生する見通しになったと発表した。世界的な金融不安で、急激な円高が進んだため。09年8月期の連結最終(当期)損益は、前期の40億円の黒字から赤字に転落する可能性があるという。ただ、今後の資金繰りに問題はなく、新規出店計画なども従来通り継続するとしている。

 同社は、豪州の加工工場で製造したハンバーグなどを豪ドル建てで日本に輸入している。豪ドルを調達するため、07年10月以後、BNPパリバ証券と1豪ドル=78円と同69.90円で計200万豪ドルを調達する契約を結んだ。契約より円高が進むと、その差額分が損失となる契約で、現在は同60円弱で推移するなど今年秋以後、急激な円高が進んだことから、損失が膨らむ見通しになったという。記者会見した正垣泰彦社長は「これだけ急激な円高になるとは想定していなかった」と述べた。

http://mainichi.jp/select/biz/news/20081122ddm008020023000c.html

(引用終わり)

サイゼリヤ社の公式ウェブサイトの資料(デリバティブ評価損発生見込みに関するお知らせ:http://www.saizeriya.co.jp/ir_info/jp/pdf_jp/release/release20_11_21.pdf)を見た限りでは、同社は2つの「FX参照型豪ドルクーポンスワップ」でそれぞれ71.3億円、50.2億円の評価損を見込んでいるようです。サイゼリヤ社のような規模の会社がどうやったらこんな多額の評価損を見込むような状況に追い込まれるのか興味深かったのですが、どうやら潜在的なリスクの大きいタイプの為替スワップ取引(今回の取引はペイオフ的にはいわばオプションの売りに相当するような取引)を行っていたようです。

2つの「FX参照型豪ドルクーポンスワップ」は、参照為替レートや支払日が異なるものの、基本的な取引の構造としては同じで、どちらも豪ドル/円レートが一定以上豪ドル安/円高に傾くと大きな損失を余儀なくされる(逆に一定以上豪ドル安/円高にならなければ安値で豪ドルを購入できる)内容です。

例として、1つ目の「FX参照型豪ドルクーポンスワップ」の取引でどのような結果となることを見てみます。

現在の豪ドル/円の為替レートはだいたい1豪ドル=60円くらいですので、仮にこの1豪ドル=60円という状況が今後しばらく継続すると仮定して試算します。

まず、第1回目の支払い日(2008年12月1日)においては、当初契約した約定レートである1豪ドル=78.00円で1百万豪ドルを購入することになります(このスワップ契約の約定日は2007年10月22日で、同月末の豪ドル/円レートは1豪ドル=105.83円ですので、その時点のレートよりは相当安い水準で買えることになります。サイゼリヤ社の関係者も、当時はここまで急激に豪ドル安/円高が進むとは思っていなかったでしょうから、1豪ドル=78.00円というレートは魅力的に見えたことでしょう)。

次に、第2回目の支払日(2009年1月1日)においては、1豪ドル=60円の状態が続いているとすれば、計算式に基づいて「78.00×(78.00/60.00)=101.40」で約定レートは1豪ドル=101.40円になります。

その後も1豪ドル=60円の状態が続くとすれば、第3回目の支払日(2009年2月1日)以降の約定レートは以下の通りになります。

1豪ドル=131.82円(第3回目:2009年2月1日支払い分)
1豪ドル=171.37円(第4回目:2009年3月1日支払い分)
1豪ドル=222.78円(第5回目:2009年4月1日支払い分)
1豪ドル=289.61円(第6回目:2009年5月1日支払い分)
1豪ドル=376.49円(第7回目:2009年6月1日支払い分)
1豪ドル=489.44円(第8回目:2009年7月1日支払い分)
1豪ドル=600.00円<上限>(第9回目:2009年8月1日支払い分)

となり、その後も2010年11月1日までは、毎月1日に1豪ドル=600.00円(!)で1百万豪ドルを購入することになります(こういった条件なので、ひとたび豪ドル/円レートが豪ドル安/円高に傾くと多額の評価損計上を余儀なくされるわけです)。

BNPパリバ証券はもともとこの手の仕組み債商品に強いことで有名ですが、それにしてもなかなか複雑な商品を作ったものです(こういう商品は専門家でない限りはどの程度の手数料(証券会社側から見れば「儲け部分」)が引かれているかわらかないことがほとんどなので、高い手数料を取りやすい/取られやすいのが一般的です)。

サイゼリヤ社はオーストラリアから食材を輸入しているようですので、豪ドルの実需があるかといえばもちろんあるのでしょうが、このような投機色の強いスワップ取引を行う必要が本当にあったかどうかは甚だ疑問です。単純なクーポン・スワップや為替先物契約などならともかく、このような取引は為替ヘッジ取引でもなんでもなく、単なる投機といって差し支えないと思います。サイゼリヤ社の株式に投資している投資家からしてみれば、多くの場合レストラン業運営会社としてのサイゼリヤ社に投資していたのであって、金融業あるいは資産運用業としての同社に投資したつもりは微塵もないでしょうし、納得いかない気持ちを持っている投資家も少なくないと思われます。

サイゼリヤ社の経営者はこのような取引の潜在的なリスクを知っていたのか知らなかったのかわかりませんが(知らなければ経営者としての資質が疑問視されますが)、いずれにせよやはり専門性のないものにはむやみに手を出すものではないという教訓ではないでしょうか。
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少し前の話になりますが、不動産ファンド運営会社のアセット・マネジャーズ・ホールディングスの代表執行役会長に、投資ファンド運営会社いちごアセットマネジメントのスコット・キャロン氏が就任しました。
http://www.assetmanagers.co.jp/irinfo/pdf/BD.pdf

直近の大量保有報告書によれば、いちごアセットはアセット・マネジャーズ・ホールディングスの発行済み株式の約48%強を保有しているようですが、いちごアセット社が株式購入してきた時期と現在の株価(10/28取引終了時点で6570円)を考えると、相当程度の含み損を抱えていることは間違いないため、いちごアセット/スコット・キャロン氏にとっては何とかして株価を回復させたいところでしょうか。ただ一方で、現在不動産ファンド業界を取り巻く環境は個別の経営そのものよりもマクロ環境に左右されている度合いの方が強い気もしますので、今後どのような手法を取って行くのか興味深いところです。

ところで、スコット・キャロン氏の「いちごアセットマネジメント」の「いちご」は、果物の「苺」ではなくて、「一期一会」の「一期」を意味するようですね。
独立系の運用会社であるレオス・キャピタルワークス社が10月1日より直販型の投資信託「ひふみ投信」をスタートするようです。レオスの藤野社長は日本の中小型株投資を得意とされていることで著名ですが、レオス社のウェブサイトを見た限りでは、「ひふみ投信」は国内外の株式に投資を行い、ある程度キャッシュポジションを機動的に変動させるような投資信託のようです。

日本で直販型の投資信託といえば、さわかみ投信の運用する「さわかみファンド」が有名ですが、レオス・キャピタルワークス社の場合はもともと国内外の機関投資家や年金基金などといったいわゆるプロ投資家向けのファンドを行っていたのに加えて今回一般の個人投資家向けに直販型の投資信託を始めるという点が注目されます。

「ひふみ投信」の信託報酬は年率で1.029%(内訳は委託会社が0.945%、受託会社が0.084%)と、他の一般的なアクティブ型投信よりも比較的安い水準にあり、かつ買付けから5年以上継続的に保有されている受益権口数に対しては信託報酬を実質年率0.2%の割引、および10年以上継続的に保有されている口数に対しては実質年率0.4%の割引、となるようです(もっとも、運用会社としては、投資家にこの投信を5年間保有することによって得られる収入(信託報酬)は合計で約4.7%、10年間では約9.5%程度となりますので、多少信託報酬を割引いてでも長期間に渡って保有してもらった方がビジネスの観点からはありがたいわけです)。

ところで、プロ投資家向けの運用会社であったレオス・キャピタルワークス社がなぜ今回一般個人投資家向けの投資信託を始めるのかという疑問も沸いてきます。

ひふみ投信の公式ウェブサイトを見ると、「私たちは、公募投資信託の直接販売を開始するにあたり、「できるだけ安いコストで、幅広いお客様の資産形成を長期にわたって応援したい」という思いを強く抱きました。そしてお客様にとって、一本の投資信託に長期にわたってご投資いただくことが、目標とする資産を長期的に形成することにつながり、同時にこのような資産形成の方法こそが、投資信託を真に発展させて、社会・経済を豊かにする一つの道ではないかと考えました。」とありました。

これはまさに素晴らしい理念だと思いますし、一個人投資家としてはこういった独立系の運用会社が新たに公募投信を始める事を歓迎したいところです。
(一方で、レオス・キャピタルワークス社が提出した有価証券届出書を見た限りでは、会社としてのレオス・キャピタルワークス社の業績は、前期(平成19年4月1日から平成20年3月31日)は営業損失約1億62百万円で純損失約1億47百万円、前々期(平成18年4月1日から平成19年3月31日)が営業損失約19百万円で純損失約54百万円となっています。いわゆるプロ投資家からの資金が思うように集まらずに思うような信託報酬が得られず(場合によっては(成功報酬のあるロング・ショートファンドなどの)成績低迷によって成功報酬が獲得出来なかったといった理由もあるかもしれません)、レオス・キャピタルワークス社として個人投資家からの資金も集めることによって収益基盤を強めたいのではないかと思えなくもありませんが、これは邪推というものかもしれません…。)

レオス・キャピタルワークス株式会社公式ウェブサイト
http://www.rheos.jp/



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