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個人投資家の皆様のお金の運用の考え方をシンプルかつわかりやすくお伝えすることを目的としたブログです。 特にこれから資産運用を始めようという方や、まだ資産運用を始めたばかりという方に有用な情報を提供したいと思います。
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東京スター銀行が「一番どり」という個性的な仕組預金を提供しているようです。

この仕組預金は預け入れ期間5年の米ドルの預金で、金利は期間中の(A) S&P 500、(B) Nikkei 225(日経平均)、(C) Dow Jones Euro Stoxx 50、(D) Dow Jones CBOT Treasury Index(アメリカ長期債指数)、(E) LME Copper(ロンドン金属取引所の銅のスポット価格)、の5つの指数の動きによって決まる仕組になっています。

毎年年1回の判定日があり、その際に上記5つの指数の中で直近の1年間において最も良いパフォーマンスを記録した指数の年間上昇率をその年の「暫定実績」として採用し、毎年の「暫定実績」の合計を最終判定日に算出して最終的な金利を決めるようです。ただし、1)各年の「暫定実績」の上限は10%で下限はなし、2)1度「暫定実績」として採用された指数は翌年からは対象から除かれる、3)5年間の「暫定実績」の年率換算が1%を下回った場合は適用金利は年利1.0%とする、という条件になります。

例えば、上記(A) S&P 500、(B) Nikkei 225、(C) Dow Jones Euro Stoxx 50、(D) Dow Jones CBOT Treasury Index、(E) LME Copper、の各年(左から1年目、2年目、3年目...の順)の騰落率が以下の結果であったと仮定すると、

(A) 10%, 5%, -5%, 15%, -5% 
(B) -5%, 15%, -15%, 20%, -8%
(C) 3%, 10%, -5%, 4%, -5%
(D) 3%, 4%, 1%, -2%, 6%
(E) 5%, 12%, -15%, 0%, -10%

1年目の「暫定実績」は、(A) S&P 500の10%。
2年目の「暫定実績」は、(B) Nikkei 225の15%だが上限を超えているので10%。
3年目の「暫定実績」は、(D) Dow Jones CBOT Treasury Indexの1%。
4年目の「暫定実績」は、(C) Dow Jones Euro Stoxx 50の4%。
5年目の「暫定実績」は、(E) LME Copperの-10%。

ということになって、5年間の適用金利は10%+10%+1%+4%-10% = 15% ということになります。
よって、このケースですと、10,000米ドルが15,000米ドル(税引き前)になって満期を迎えることになります。

なお、これを書いている時点での米国5年国債の利回りは4.5%前後ですので、仮に年率4.5%程度で5年間運用したとすると、5年間で24.62%の利率となります。
この数字と「一番どり」の期待金利との比較で、「一番どり」に投資することが魅力的かどうかを決めるのが妥当だということになるでしょう。
(ちなみに、東京スター銀行のウェブサイトでは、10年前より本預金と同様の仕組みの預金があったと想定した場合、過去5年間(2001年8月~2006年8月)の毎月月末に満期を迎えた預金の適用金利の「最高・最低」の数値がどうなったかという記載があります。それによると「最高」金利が5年間で28.39%、「最低」金利が5年間で5.00%だということです。)


個性的で面白い商品のため興味をそそられますが、
個人的には一般の個人投資家に対してこの商品はあまりお薦めできません。

なぜなら、この手の商品の現在価値を一般の個人が知る事は極めて難しいので、
実際のマーケットバリューよりもかなり不利な数字が提示されているとしても多くの人はわからないのではないでしょうか。
その結果として、この手の商品では金融機関側が自分の取り分を多くする傾向があり、通常の商品に比べて一般的に購入する側にとって不利な条件であることが多いです。
(取り分を多くしても個人投資家に気付かれにくいためです。)

こういった複雑な仕組預金については、何となく面白そうだからとか見た目の金利がいいからという理由で投資をしたりしないで、
ある程度商品の仕組などを理解してからじっくり検討するのが望ましいと思います。
(もっとも理解度が深まれば、金融機関側がいかに「高い」取り分を取っているかがわかって嫌になってしまうかもしれませんが...。)

「一番どり」の詳細につきましては東京スター銀行のウェブサイトでご確認ください。
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今回は新生銀行が取り扱っている「パワード定期」について解説したいと思います。

この商品は、一定期間後の為替レートによって、満期時の受け取り通貨が変わってくるというリスクを負う代わりに、一般の定期預金よりも金利が良くなっている金融商品です。

以下、2006年5月23日の20時ころ新生銀行のホームページで見た情報を使わせていただきます。預け入れ時の為替レート(基準レート)が111.00円だと仮定します。

パワード定期
預け入れ期間 : 1年
預入通貨/相対通貨 : 円 / 米ドル
特約設定レート : ( 基準レート - 1.00円 )
預金金利 : 3.27%
(ちなみに同日の1年物の円定期預金の金利は0.08%でした。)

この商品がどういうふうに成り立っているかというと、
① 定期預金
② 米ドルプット・円コールオプションの売り
の2つから成り立っています。

このパワード定期の金利が同預け入れ期間の通常の定期預金金利に比べてどうして好金利かというと、米ドルプット・円コールオプションの売りによって得たオプションプレミアム相当分の一部を金利に上乗せする形になっているからです。

さて、この商品に投資した際の円ベースでの損益図を単純なグラフで表すと下記のようになります。(注:税引き前、円換算時の為替手数料は無視)



ここで上記グラフを見て、円定期預金とパワード定期に投資した場合の1年間の利回りを比べてみましょう。
グラフを見て頂ければお分かりの通り、このケースでは判定日(約1年後)のドル円レートが106円台の半ばまで円高が進まな買った場合には、円定期預金よりもパワード定期の方が良いリターンを生むことになります。逆にそれ以上円高が進むと、パワード定期に投資した場合には円ベースでマイナスになってしまいます(円高になればなるほどマイナスが大きくなります)。

もともとこの種の仕組み預金は米系金融機関のシティバンクが「プレミアムデポジット」という名前で、販売したのが始まりであると記憶していますが(確かな記憶ではありません。間違っていたら申し訳ありません。)、現在では、「外貨特約付き定期預金」のような名前で多くの都市銀行/地方銀行でも扱っているようです。

基本的には、この種の商品は以下のようなものであると理解しておくと良いと思います。
① ドル円レートが一定以上円高にならなければ、円定期預金に比較して好利回り
② ドル円レートが一定以上円高になってしまった場合には、円定期預金に比較して利回りが劣り、更には円ベースでマイナスの利回りになる可能性がある。

さらには、以下の事項も覚えておいたほうがいいかもしれません。
① 通常の定期預金に比べて、多くの利鞘を金融機関に抜かれてることがほとんどです。
(一般的な個人の場合、オプションの価値を正確に知る事は難しいため、高い利鞘を抜かれてもわからないことがほとんどです。)
② 円で預け入れて満期時に外貨に換わってしまった場合、大抵の場合は円に戻す際に為替手数料がかかるため、円ベースでの利回りは更に悪化します。



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