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しばらく前に、大日本印刷の北島義俊社長が日本人トップの役員報酬(7億8700万円)を得ていることが話題になりました。

個人的にはてっきり北島義俊社長は大日本印刷の創業家の大株主かと思っていたのですが、同社のホームページにある主要大株主(平成22年3月31日現在)を見る限りでは、上位10株主にも入っていないようです。

にもかかわらず、これだけ巨額の役員報酬を受け取っているだけでなく、自身のご子息(北島義斉氏)を副社長に就任させるなどしているのは、ある意味で驚きです...。

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(以下引用)
サイゼリヤ:為替デリバティブで評価損140億円 最終赤字転落も

ファミリーレストラン大手の「サイゼリヤ」は21日、08年9~11月期に為替のデリバティブ(金融派生商品)の評価損が約140億円発生する見通しになったと発表した。世界的な金融不安で、急激な円高が進んだため。09年8月期の連結最終(当期)損益は、前期の40億円の黒字から赤字に転落する可能性があるという。ただ、今後の資金繰りに問題はなく、新規出店計画なども従来通り継続するとしている。

 同社は、豪州の加工工場で製造したハンバーグなどを豪ドル建てで日本に輸入している。豪ドルを調達するため、07年10月以後、BNPパリバ証券と1豪ドル=78円と同69.90円で計200万豪ドルを調達する契約を結んだ。契約より円高が進むと、その差額分が損失となる契約で、現在は同60円弱で推移するなど今年秋以後、急激な円高が進んだことから、損失が膨らむ見通しになったという。記者会見した正垣泰彦社長は「これだけ急激な円高になるとは想定していなかった」と述べた。

http://mainichi.jp/select/biz/news/20081122ddm008020023000c.html

(引用終わり)

サイゼリヤ社の公式ウェブサイトの資料(デリバティブ評価損発生見込みに関するお知らせ:http://www.saizeriya.co.jp/ir_info/jp/pdf_jp/release/release20_11_21.pdf)を見た限りでは、同社は2つの「FX参照型豪ドルクーポンスワップ」でそれぞれ71.3億円、50.2億円の評価損を見込んでいるようです。サイゼリヤ社のような規模の会社がどうやったらこんな多額の評価損を見込むような状況に追い込まれるのか興味深かったのですが、どうやら潜在的なリスクの大きいタイプの為替スワップ取引(今回の取引はペイオフ的にはいわばオプションの売りに相当するような取引)を行っていたようです。

2つの「FX参照型豪ドルクーポンスワップ」は、参照為替レートや支払日が異なるものの、基本的な取引の構造としては同じで、どちらも豪ドル/円レートが一定以上豪ドル安/円高に傾くと大きな損失を余儀なくされる(逆に一定以上豪ドル安/円高にならなければ安値で豪ドルを購入できる)内容です。

例として、1つ目の「FX参照型豪ドルクーポンスワップ」の取引でどのような結果となることを見てみます。

現在の豪ドル/円の為替レートはだいたい1豪ドル=60円くらいですので、仮にこの1豪ドル=60円という状況が今後しばらく継続すると仮定して試算します。

まず、第1回目の支払い日(2008年12月1日)においては、当初契約した約定レートである1豪ドル=78.00円で1百万豪ドルを購入することになります(このスワップ契約の約定日は2007年10月22日で、同月末の豪ドル/円レートは1豪ドル=105.83円ですので、その時点のレートよりは相当安い水準で買えることになります。サイゼリヤ社の関係者も、当時はここまで急激に豪ドル安/円高が進むとは思っていなかったでしょうから、1豪ドル=78.00円というレートは魅力的に見えたことでしょう)。

次に、第2回目の支払日(2009年1月1日)においては、1豪ドル=60円の状態が続いているとすれば、計算式に基づいて「78.00×(78.00/60.00)=101.40」で約定レートは1豪ドル=101.40円になります。

その後も1豪ドル=60円の状態が続くとすれば、第3回目の支払日(2009年2月1日)以降の約定レートは以下の通りになります。

1豪ドル=131.82円(第3回目:2009年2月1日支払い分)
1豪ドル=171.37円(第4回目:2009年3月1日支払い分)
1豪ドル=222.78円(第5回目:2009年4月1日支払い分)
1豪ドル=289.61円(第6回目:2009年5月1日支払い分)
1豪ドル=376.49円(第7回目:2009年6月1日支払い分)
1豪ドル=489.44円(第8回目:2009年7月1日支払い分)
1豪ドル=600.00円<上限>(第9回目:2009年8月1日支払い分)

となり、その後も2010年11月1日までは、毎月1日に1豪ドル=600.00円(!)で1百万豪ドルを購入することになります(こういった条件なので、ひとたび豪ドル/円レートが豪ドル安/円高に傾くと多額の評価損計上を余儀なくされるわけです)。

BNPパリバ証券はもともとこの手の仕組み債商品に強いことで有名ですが、それにしてもなかなか複雑な商品を作ったものです(こういう商品は専門家でない限りはどの程度の手数料(証券会社側から見れば「儲け部分」)が引かれているかわらかないことがほとんどなので、高い手数料を取りやすい/取られやすいのが一般的です)。

サイゼリヤ社はオーストラリアから食材を輸入しているようですので、豪ドルの実需があるかといえばもちろんあるのでしょうが、このような投機色の強いスワップ取引を行う必要が本当にあったかどうかは甚だ疑問です。単純なクーポン・スワップや為替先物契約などならともかく、このような取引は為替ヘッジ取引でもなんでもなく、単なる投機といって差し支えないと思います。サイゼリヤ社の株式に投資している投資家からしてみれば、多くの場合レストラン業運営会社としてのサイゼリヤ社に投資していたのであって、金融業あるいは資産運用業としての同社に投資したつもりは微塵もないでしょうし、納得いかない気持ちを持っている投資家も少なくないと思われます。

サイゼリヤ社の経営者はこのような取引の潜在的なリスクを知っていたのか知らなかったのかわかりませんが(知らなければ経営者としての資質が疑問視されますが)、いずれにせよやはり専門性のないものにはむやみに手を出すものではないという教訓ではないでしょうか。
テレビ朝日が先ごろ破綻したリーマン・ブラザーズグループ発行の債券を額面で10億円分保有していると発表しました。発表資料によると保有しているのは「日経平均株価指数連動デジタル・クーポン10年債」(おそらく日経平均株価の水準によってクーポンが変化するような債券)だそうで、放送事業者であるテレビ朝日がなぜこのような債券に投資したのか甚だ疑問です(おそらく近所で仕事をしているよしみで、付き合いとして購入したのだと思いますが…)。果たしてテレビ朝日の株主の皆様はどう思っているのでしょうか…。



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